南ゴビ
星空のもとで過ごす時間
モンゴル語で“短い草がまばらに生えている土地”という意味をもつゴビは珍しい動植物も多く、東西2500km南北500km以上に及ぶ広大な範囲に山、砂丘、森林、泉、大草原、砂漠といろいろな景観がひろがります。
南ゴビ
古代からとぎれることなく続く大自然がそのままある国モンゴル。なかでもモンゴル高原南東部に位置する南ゴビ砂漠は一面に砂礫を含む大平原。見渡す限りの大自然。月の影響を受ける神秘の砂丘あり、鷲が舞い、万年雪を懐に抱く渓谷あり、まばらな草地の平原あり。地平線に蜃気楼があらわれることも。もえたつ夕焼けに染まる空。原始の暗闇につつまれたとたん、地平線から天上まであたり一面の星空世界が広がり、時とともに四季の星座たちが姿を現します。悠久の天の川が広がり、星がいくつも流れて行く。そんな自然がここにあります。
まんてんの星
地平線から天上まで圧倒的な数の星々がきらめくモンゴルの夜空。地球は宇宙に浮いているんだなあと実感。
天の川は大河のような流れをみせ、流れ星が弧を描き、ゆっくりと進む人工衛星も肉眼でみることもしばしば。星がありすぎて星座を探しだすのに一苦労です。1光年は約9兆4600億km。1秒間に約30万kmも進む光。何百光年もはるか彼方の星の光。その昔光った星の輝きが時空を超えて地球に到達。壮大な叙事詩の世界が広がっています。
砂漠のふね
夏は毛がなくこざっぱり。
ラクダにはひとこぶラクダとふたこぶラクダがいます。モンゴル・ゴビ地域に生息しているのはふたこぶラクダです。こぶは脂肪でできており、たっぷり蓄えると1コブ50kgを超えます。この蓄えた脂肪を熱量に変えることで、10日近く何も食べなくても動くことができる不思議な動物です。コブは脂肪が消耗するとだんだんと小さくなっていきます。脂肪がなくなると横に垂れてしまってくることも。
ラクダ毛は保温性が高く、軽く、やさしい感触で日本でも衣料品として有名です。ふさふさした冬毛は体全体を覆い、寒暖の厳しい砂漠地帯での生きる機能を備えています。自由に開閉することのできる鼻の穴や長く密なまつげで目を守り、砂漠地帯でも踵のような角質化した広い足裏を持っているので、ほかの動物のように砂塵に負けることもなく砂に足が潜ることもなくすいすいと進んでいくことができます。そのため砂漠の舟ともよばれ古代より砂漠の旅のともとして欠かすことのできない大切な家畜となったのです。
国内線
ウランバートルから南ゴビまでは国内線を利用します。ウランバートル空港(国内線)でチェックイン。およそ1時間30分の空中散歩。50人乗りの小型プロペラ機。座席は自由席、空いている席へ。有視界飛行のフライト。ゴビ砂漠の小さな空港。この砂漠の未舗装滑走路に直接舞い降ります。モンゴルのパイロットは空軍出身の方が多く、素晴らしい技術を持っています。あまり衝撃を感じることなく南ゴビ大平原にスムーズに着陸していきます。
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