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ゴイモン たびのとちゅう
フィッシング編


フィッシング 編

フブスグル湖

今回は初めて海外釣行へ行った時の話!

釣りは子供のころ、好きでやっていた。社会人になってからはしばらく遠のいていた。
あることがきっかでルアーフィッシングを7~8年前から再開。いろいろな管理釣り場(釣り堀)へ通っている。
シーズンに入ると日本各地の河川(本流・支流河川)へ赴き、渓流釣りを楽しんでいる。

そろそろ、日本からはなれ、異国で釣りがしてみたいと思っていた数年前のある日、たまたまテレビで、モンゴルの巨大なイトウを釣る番組を目にした。
あまりの迫力映像に驚き、是非、行ってみたい。“こんな場所で釣りがしてみたい”という衝動にもかられ、“よしっ!海外釣行のデビューはモンゴルにしよう”と決めた。

早速、海外初釣行に向けて計画を立てた。
なにぶん、海外旅行の経験は結構あるけれど、海外釣行は初めてのこと。
いろいろ情報を集め、準備。最終的に8日間の日程で行くことになった。そのうち実釣滞在日数は3日間。
計画を立てているときからワクワク感でいっぱいだった。

いよいよ出発。待ちに待った出発日。

成田空港からモンゴルの首都ウランバートルまでは直行便を利用して約5時間。
無事ウランバートルの空港へ到着。出迎えは滞在中お世話になる日本語ガイドさん。
首都ウランバートルから目的地となる川までは、車で10時間以上かかる。
少しでも川にたどり着くまでの時間と距離を短縮するため、本日は、ウランバートルから車で約1時間半の地にある郊外のツーリストキャンプまで移動し、一泊した。
ツーリストキャンプとは、遊牧民が生活する移動式住居ゲルを模したもの。宿泊は思った以上に快適だった。

翌日、朝6時ちょっと前にウランバートル郊外のツーリストキャンプ地を車で出発。
川の近くのツーリストキャンプ地までの所要時間は約8時間半。
途中砂利道もあったが、ほぼ舗装道路と整備された土道だったので、比較的スムーズに進んだ。
お昼過ぎ、脇道の草原に入り、車を止め、昨夜、宿泊したツーリストキャンプで準備して頂いたランチボックスの昼食を取った。大自然を感じる時間。釣行への期待がたかまった。
川のある村へ到着したのは午後2時をまわっていた。川の近くのツーリストキャンプはその少し郊外。
3日間お世話になる滞在拠点はツーリストキャンプのゲル。
川の近くのツーリストキャンプが釣行のベース。

ツーリストキャンプに到着して、まずは現地の釣りのガイドさんや現地のスタッフの方とのご挨拶。
モンゴルの伝統的な飲み物、スーティツァイ(乳茶)が振る舞われた。暖かく出迎えてもらった。
緊張が抜けてほっと一息。

翌日に控えた実釣に胸をおどらせ、釣りのガイドさんに釣り方やルアーの色選びなどについていろいろ尋ねていた。
すると、釣りのガイドさんから思わぬ提案を受けた。
『夕まずめの前だし、到着が早かったし、少し時間があるので、今日、少し近場でキャスト(釣り)してみる?』
と聞かれた。思わず、ひとつ返事で『はい』と答えた。
心弾ませ、すぐさま日本から持ってきたタックル(釣り道具)とウェダー(水中に入って釣るときに履く腰や胸まである長靴のこと。)を準備し、車で川へ向かった。ワクワク感は一気に急上昇。

ツーリストキャンプから川までは車で30分程度かかった。
川の上流部にあるポンド(池)のような場所からスタートした。
まずは第一投、ルアーはシンキングミノー(魚の形をした潜るルアー)を投げた。
シュッと小気味よい音とともに、ルアーがポンドめがけて飛んでいく。
いきなり着水と同時になんと魚が掛かかった。『キター!!!』と思わず大きな声をあげてしまった。
モンゴルの魚は意外と擦れていないのかも・・・

かかった魚は日本では見慣れないアマゴの模様に似た魚だった。
釣りのガイドさんに魚の名前を尋ねたところ『レノック』という答えが返ってきた。“初キャストで初ヒット”なんてラッキーなんだ!!夢見心地でした。
しかし、この日はこの1匹で終わった。やっぱり、自然はそんなには甘くないかった。

実釣1日目。朝5時起床、朝食を取り出発。到着後、タックルを準備し、実釣開始!
ルアーは昨日同様、ミノーを使用。午前中3匹の40㎝程度のレノックが釣れた。

釣り方は川の中腹あたりまで入り、上流めがけてルアーをキャストする。
または、川岸あたりから歩きながらキャストするのが一般的だ。
川の流れはゆるやかで、対岸までわりと距離があるのでルアーは投げやすい。

川をどんどん歩いて釣りをするため、伴奏車は釣り人を下ろしたら合流するポイントへ先回りをして、昼食を準備して待っている。そこへちょうどおなかを空かせた釣り人がたどり着き昼食となる。
昼食を青空のもと野外で食べ終え、場所を移動。

夕方6時近くまで釣りを続けた。この日はトータル8匹釣れた。すべてがレノックだった。
本日はイトウに対面できなかった。残念!明日に期待。しかしレノックの引きは結構あった。
60センチ近くのもいて、釣行としては面白かった。

実釣2日目。朝5時起床、朝食後出発、昨日とは違うポイントへ向かった。
本日も順調に午前中5匹のレノックが掛かった。
昼食を終えた時点で、未だイトウには巡りあえていない。
なんてことを考えながら、無心にキャストを繰り返していると、いつもの感触と違う引きのあたりが来た。
なんだろう?引きがとても強い!あれ!根掛かりか?と一瞬思ったが、リールを巻くことができるので必死に巻いた。
すると、体長はあまり大きくないけれど、ついに初めてのイトウに巡りあえた瞬間がやってきた。

テレビで見ていたのとはチョット大きさが違うけれど、これがイトウかぁ~と思わず感動。
感動のあまり、イトウに向かって、君に会うためにはるばる日本からやって来ました。と話しかけてしまった。
少しの時間ボーっと、ひとりで出会えた余韻にひたっていました。今までに見たことのないきれいな魚だった。
出会えたことに感謝し、リリースをした。

※モンゴルではイトウはリリースをすることが決まりです。

夢が1つ実現できた日になった!そして夕方になりツーリストキャンプへ帰るのかと思っていたのだが、釣りのガイドさんから今日はちょうど満月にあたるから夜もトライしようと言われた。
イトウは月明かりを利用して川を渡るねずみを捕食するのだという。
そして、夜釣るときにはこの特性ルアーがおすすめと言って見せてくれた。
なんとネズミの形をしておまけにリアルにネズミの毛(毛皮)までついている、今までに見たことのないルアーだった。
これをトップウォーター(水面)で泳がせるとイトウがネズミと勘違いして喰らいつくというのだ。

日が暮れて、あたりが静かな闇に包まれたころ、足音をたてず、そっと川に近づき、キャスト!ゆっくり巻いた。
なんどか繰り返していると突然水面が盛り上がりゴボッっと音がなった。
と同時に一瞬、投げたルアーの糸がビンと張り詰めた!次の瞬間、あせってしまい、なんと、ばらしてしまったぁ~(逃げられた)横で見ていた釣りのガイドさんが今の大きかったよーと両手を広げながら言った。
そして残念そうに頭を抱えた!!その日は終わった。

実釣最終日、昨夜、逃がしたイトウを釣りたかったなぁーと、くやんでも悔みきれいない思いの中、釣りはスタートした。

何度となくルアーを投げ、またレノックは3~4匹釣れた。
昼食も終え、最後の夕まずめを迎えようとしていた。

午後4時をまわったころに、それは何の前触れもなく突然訪れた。何気なく川岸からキャストを繰り返しながらリールを巻き、ルアーが近づいてきているのを目にし、またキャストするといった一連の動作を繰り返していたときだった。

突然目の前でルアーが姿を消した。
と同時に何やら重い砂袋でもひっかけたような感覚が襲ってきた。
竿はかなり撓り、糸がリールからどんどん出て行った。

これは、間違いない、イトウだと思った。

釣りのガイドさんも興奮している。
ゆっくり巻いて、リールのドラグ(ブレーキ)をもっと緩めて、との指示があった。
すぐに、リールの先端のドラグのつまみを回し、少し緩めた。ジーという音とともに糸が川に一気に出ていく。
少したつと、またこちらが巻き始め、徐々に引き寄せて行く。

格闘時間およそ5分を過ぎたころ、ようやく、徐々に姿を現してきた。
ちょうど背のあたりが見え隠れし始めた。
しかし、期待しているイトウにしては、イトウにはない斑点模様が見える。
何だろうと思いながらようやく岸まで引き上げたときに、突然ワニのような口をした大きな顔が水面から顔を
のぞかせ、思わず恐れおののき、すべって引っくり返ってしまった。

あわてて釣りのガイドさんがフォローにはいり、格闘15分、なんとか釣りあげることができた。
なんと今までに見たことのなかった90センチを越えたノーザンパイクが釣れてしまった。
北欧フィンランドに多く棲息している魚だ。モンゴルでもたまに掛かるのだそうだ。
見るからにとてもグロテスクな魚だった。貴重な体験となった。

こうして、初めての海外釣行は幕を閉じたのでありました。
できれば、イトウであってほしかった!
またイトウにトライしたいと思わせた初釣行だった。
またいくぞ~!!!!


『キター!!!』と思わず大きな声をあげてしまった。
最初に釣れた『レノック』!
君に会うためにはるばる日本からやって来ました。
と話しかけてしまった。イトウさんです!


※モンゴルではイトウはリリースをすることが決まりです。 釣っている河はとても流れが緩やかです!


 
最後に釣れたノーザンパイク!  



 

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